中庭がある角が跳ね上がる瓦屋根、格子の窓、分厚いドアの中国古民家は、大抵「四合院」と言いスタイルを取っており、セキュリティを重視した中庭を囲むような作りで、乱世から自分たちの生活空間を守るためのデザインになっています。

    外観は以前書いた記事「【生きた古代村落】東方人類古代伝統文明居住村落の活きた化石」で地方の四合院を確認できます。「四合院」について詳しく知りたい場合は、下記記事がお役に立てると思います。


    今日はその「四合院」で良く見るインテリアについて、イメージ画像を共有したいと思います。

    画像を見る前に、少々言わせてください。標準と言われる三進式以上の「四合院」を建てられるような民間富豪は、権力の象徴である宮殿スタイルをどこまでも真似しょうと、豪華絢爛で贅を尽くしたインテリアを集める事が特徴です。先に言っておきます、ヨーロッパの宮殿に見劣りしないほど、室内全体のインテリアには目が眩みます。


    画像は全て「毎日頭条」から引用しております、以降注記を省略します。今回ピックアップした画像は中国の古典的なインテリアをリフォーム、復旧したもので、中国独特な格子図案の使い方のデザイン価値が高いと思います。「四合院」の時代にはタイル等の建材はなく、木材床やコンクリート床が普通でしたので、この当たりは画像のインテリアイメージとは少々異なります。


    置物などからの推測ですが、客室ではないかと思います。中国の古典的インテリアと言えば、紅木家具が代表的であり、格子図案の装飾や芸術性の高い壺は、まさに御もてなしの心得である同時に、見栄と富の象徴でもあります。



    円卓を見ると中華料理を思い出し、ダイニングルームを連想しますが、違います。古典的な茶室です、一般的にリビングに隣接しています。同じ円卓でも、茶室は御もてなし用として、インテリアには芸術性の高い装飾を施し、リラックスできる雰囲気を作ります。お客さんが来訪する時は宴会場として機能する時もあります。

    同じ宮殿スタイルでも、東洋と西洋の違いは何かを考えて見ましょう。贅を尽くすとは言うが、ヨーロッパの歴史的なものと比べれば、程良いところと言いましょうか。紅木家具の醸し出す重厚感と言いますか、かなり派手なインテリアの中にも、落ち着いた「雅」を持つ、東洋インテリアの特徴を持っていますよね。


    こちらのリビングに隣接しているのは書斎です。古代から中国のコミュニケーションの一つに、人が集まると書の話に花が咲き、知識比べをしたがるものでした。書斎は現代の閉じこもったものではなく、このようなオープンなスタイルが多いです。オープン故に書斎のインテリア装飾も手を抜きません。


    家族用ダイニングはこのように、過度な贅沢品を置きませんが、やはりインテリアは当たり前の様に紅木家具です。


    現代風にリフォームされたリビングで、これまでの画像と少々違和感があります。実は古典的な細工が多い紅木家具は既に手に入り難く、現代風にデザインが変わったものが多く使われています。インテリアとしては、古典的と言うよりも、モダンスタイルと融合する傾向が見られます。


    ホールです、応接室やパーティーホールの役割をします。ここのインテリアは、名実ともに古典的紅木家具を使っています。


    こちらは法人所有の会議室です。「四合院」及び四合院時代のインテリア保護の動きに、民間企業が参入するケースが増えています。


    現代風にリフォームされた寝室に続く書斎です。高級ホテル以上の仕上がりですが、格子模様などから、チャイニーズトラディショナルスタイルと言うよりも、チャイニーズモダンスタイルのインテリアですね。


    多分応接室ですね。こちらのインテリアはより宮殿文化を意識したものであり、紅木家具を見て下さい、一枚板に彫刻を施して組み上げています。


    古典的な寝台です。こう言った寝台はインテリアとしての性能も高く、部屋全体を引き立て、単なる寝室ではなく、もっと個人が活動し易い空間になります。寝台にはカーテンを引く事が多く、寝崩した様子を瞬時に隠せるのが、当時の美徳でしょう。屋根付き寝台は寝る空間を安心して使えるので、地震が多い日本にいるからこそ使いたい気がします。物が落ちても危険性が少ないですよね。


    応接室に見えますが、書斎だそうです。読書はできるが、物書きが出来ないよね。しかし、この格子図案のインテリアが兎に角美しい、自分のSOHO用スペースの参考にしたいですが、日本でこのような木工ができる匠はいるのでしょうか。たかが4~5畳の広さでも、こんなインテリアを日本で実現させるのに、手も足も出ない値段が付くかもですね。


    こちらのインテリア家具は、既に煩雑な細工を無くしていますね、モダンスタイルまでは届かないものの、古典と言うよりも、近代的なトラディショナルスタイルのインテリアに区分されてもいい気がします。


    下がり天井が最近の内装で良く見かけますが、この部分は古典的建築には無かったはずですので、リフォームなどでうまく現代インテリアを取り入れている部分です。


    リフォームされたリビングです。特徴的なのはやはり紅木家具ですね、紅木家具を置いてあるだけで、チャイニーズトラディショナルスタイルが成り立つインテリアになります。この上の画像にある入口の仕切りは、古美術品の収納できるインテリアデザインになっています。ちょっと今までに見た仕切りとは一味が違います。


    階段ホールです。リンビングなどにも劣らないインテリアで、昔の施主も職人も、妥協しなかったんですね。


    民間レストランとして利用している古代建築です。歴史的価値を分かる人には、これほどの文化財は都市開発でどんどん壊して行く事は辛い事です。日本の木造と違って、レンガ造りが多い「四合院」は、リフォームして行く事で、大事に使って行けるものです。それらの建築は古いとか新しいとかの判断基準ではなく、悠久な歴史を誇る中国文化で、プライスレスですよね。