1997年に、アメリカの建築家 Sarah Susanka が「スモールハウスムーブメント」を提唱したと知り、スモールハウスとはどんなものかを検索しました。ここにある写真ではないですよ、蓋を開けてみると、日本の都会にある一般住宅にかなり近い感覚で、わざわざスモールハウスを提唱し、ブームになる人たちが羨ましいと思ってしまいました。


    当時、筆者はコンテナハウスに夢中になっていましたので、後々知った事ですが、コンテナ輸送の都合がつかない地域において、代わりに木材を入れて、コンパクトな家を作っていた事が、多少ブームに影響を与えていました。やがてタイニーハウスブームへと走って行きました。

    1999年にアイオワ大学の美術教師 Jay Shafer が、自分の手で約10㎡の小さな家を建てて住み始め、それが雑誌で賞を取ったので、一気に知れ渡る事になったそうです。下のの画像がその雑誌で賞を撮ったタイニーハウスです。


    トレーラーハウスやキャンピングカーのように、タイニーハウスもまた不動産税が免除される事から車輪を付けてあるものも多いそうです。自走するタイプのものと合わせて、モーターホームと言うカテゴリがあります。無駄をどんどん削ぎ落とせば、生活に必要な機能はそう多くないと言う事がわかります。

    仕事がなくなったら、最低これくらいの生活はと想定できるなら、そう言う意味では、このタイニーハウスは心強い見本です。


    殆どの日本住宅は面積や構造からスモールハウスになるではないかと思いますが、ではスモールハウスとタイニーハウスの境界線ってどこなのか、そんな疑問が湧いて来ます。良くある10坪の土地に建つ日本の狭小住宅はどっちに分類されるのでしょう。

    Jay Shafer先生が建てたこの10㎡のタイニーハウスを超えてもいいのなら、何㎡まではタイニーハウスと呼ぶのか、タイニーハウスの面積条件について調べましたが、2016年3月時点で詳しく書いてあるページをどうしても見つかりませんでした。



   そこで、数十社タイニーハウス業者のHPを検索しまして、あるアメリカのタイニーハウス業者が言う、トレーラーに乗せられる大きさまで、と言う説に賛同しました。

40"コンテナー1本までの面積がタイニーハウスの大きさ

    つまり、タイニーハウスの暫定的定義は、2438✕12192mm=内部約17畳まで面積を言います。移動できるタイプなら幅は道路基準法で決まりますが、固定タイプなら幅寸法を気にしなくても、延べ面積が17畳(約28㎡)以下ならタイニーハウスと認識していいと考えます。


    Jay Shafer 先生のタイニーハウスの内部構造を見てみましょう。入口のすぐ左にキッチンがあり、手洗いも洗面台も兼ねているようです。収納もシンプルですが、しっかり考えられています。


    キッチンの奥にはリビングがあります。この場合、住人が大学の先生だけあって、リビングと言うよりも書斎に見えます。


    シングルソファセット、収納、デスク、本棚があり、ロフトの寝室へは、はしごがあります。充分機能的であると言えます。


    照明が分かりやすい手作りで、温かみが感じられます。


      リビングからキチンを覘く様子です。


    ロフト部分は寝室のスペースのみですが、しっかりとダブルベッドサイズです。


    寝心地は良さそうです。日本のような四季がはっきりしている気候では、屋根部分の断熱をしっかりやらないと大変ですよね。車中泊経験者は知っている、冬は寒い、夏は暑いと言う状況は耐え難いです。


    一人だけなら座って入れるお風呂もあります。扉も付けてあります。すごいですね~海外の生活スタイルは、ちゃんとした家でもシャワーのみが多いのに、日本の様に浴槽を常設しているのは、タイニーハウスなのに贅沢な癒しスペースです。


    トイレも勿論備わっています。一人生活なら充分な広さです。


    このタイニーハウスの構造を良く観察すると、ただ釘で打ち付けただけではなく、しっかり木を組んでいます。さすが美術の先生ですよね、タイニーハウスを作る前に、きっと木造住宅をしっかり勉強したと思います。

    Jay Shafer さんは現在タイニーハウスのビルダーをやっています。公式のHPを持っているので、今回の画像は全てそこから引用させて頂きました。

    日本でも影響を受けてタイニーハウスのブームが近いうちに来るでしょうと某建築家がネットで書いていました。どうでしょうかね~東京に住んでいると、ブームに関係なく、昔から狭小住宅がひしめいていますからね。

    日本にタイニーハウスブームが来るかどうかはどうでも良く、大国で起きたタイニーハウスブームが提唱する、資源を無駄にしない、幸せへの近道と言う理念によって、狭小住宅に住んでいる自分が、少しは堂々としていられます。